水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

正恩さんのタメ息を妄想してみる

9月27日に朝鮮人民軍大将の称号を授与されたかと思えば、翌28日には労働党代表者会で党中央委員と党中央軍事委員会の副委員長に選出され、あれよあれよという間に10月1日には祖父にそっくりな映像が公開されて、10日には朝鮮労働党創建65周年を記念する軍事パレードを父とともに観閲。
超急ピッチで後継者の地位を固め、誇示していますが、果たして正恩さんは権力争いの勝利者なのか、考えてしまいます。

後継者の座を巡る争いで思い出されるのは、長男・正男さん。2001年に日本のディズニーランドに遊びに来て入国管理局に拘束された際は、そのだらしなく肥満した姿や無精ひげ、だらけた服装、ふざけた入国目的も相まって、「コイツ、どうしようもないバカ息子のボンボンか」という見方もありました。だが、その後も時折あちらこちらに出没してマスコミに囲まれている様子は、不用意というより確信犯のように見えます。
記者への対応ぶりも、英語が話せるしフランス語もOK。日本語も「日本語わかりますか」と聞かれて「日本語、話せません」と答えられるだけの知識があります。態度には余裕がありユーモアも感じられつつ、発言内容は冷静客観的で、とても馬鹿には見えません。
正男さんは、以前からインタビューに対して「政治に興味はない」と答えており、10月11日に報道ステーションで放送されたインタビューでも「弟が後継者になった事は遺憾ではない。自分は政治に興味ない」、更に「三世代世襲には反対」という衝撃的な発言をしています。これは負け惜しみではなく、彼は後継者争いに「負けた」のではなく、早い段階から自発的に「降りて」いたように思えます。
ディズニー事件を含め、時には馬鹿のふりをして「私は後継者の器ではないし、権力欲もない。誰が後継者になっても政権転覆など画策しない。人畜無害の「遊び人の金さん」だから、放っておいて欲しい。」とアピールし続けてきたのではないでしょうか。

二男・正哲さんのことは情報が少なくてよくわかりません。が、もしフジテレビが放送した、人形のように可愛い彼女を連れてエリック・クラプトンのコンサートに来ていた男性が正哲さんなら、彼もまた、資本主義に毒された音楽が大好きな反革命的な人物なのかもしれません。

まともな知識と判断力があれば、今の北朝鮮を継ぐことは「絶大な権力の継承」である以上に「崩壊寸前の巨額の負債の相続」であることは明らかです。自分の在任中に国が崩壊する確率は限りなく100%に近く、崩壊の仕方によってはチャウシェスクと同じ悲惨な末路を辿る可能性も十分あります。長男・次男とも若い頃にスイスやロシアのインターナショナルスクールに留学経験があると言われていますから、世界を見てまともな知識を持っているはずです。

もしかして、彼らは「後継者」という名の沈む船から我先に、相次いで脱出していたのではないでしょうか。

そうなると、正恩さんは凄絶な後継者争いを勝ち抜いた男と言うより、もしかして逃げ遅れた可哀そうな末っ子なのかもしれません。
父親の健康状態は限界に近付きつつあり、早急に誰かを後継者として確定させなければなりません。でも、兄二人はそれぞれ「ディズニー男」「クラプトン男」であることを晒して「ごめんねパパ。とても残念だけど、僕はこんなだから後継者にはなれないよ。他の誰かにしないと、軍や党が納得しないでしょ。」と言って逃走してしまっているので選択肢は三男しかいません。若い三男には軍や党での実績が何もありません。そこで、せめてもの思いでブロイラーのように太らせ、体形・服装・髪型・拍手の仕方まで父や祖父に似させて「それっぽさ」を演出。もしかして、代表者会が当初予定より大幅に遅れたのは、正恩さんの「体重増加待ち」だったのでは?。

正恩さんが後継者争いに「勝った」ことを喜んでいるならそれでいいのですが、彼自身スイスのインターーナショナルスクールに留学していた訳ですから、世界を知っているはずです。
もしかして今頃、正恩さんが「くそー、兄貴二人してうまいこと逃げ出しやがって…。俺だけこの先一生、命掛けた罰ゲームかよ。」なんて思って、陰でため息ついているのではないか…、と妄想してしまいます。