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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

ミャンマー人は何故農業をしたくないのか

「農業やりたくない」 就職拒否のミャンマー難民夫婦が会見
アジア初の第三国定住制度で来日し、千葉県の農場で職業訓練を受けていたミャンマー難民の夫婦が28日、東京都内で記者会見し、「(農作業は)大変だった。農業はやりたくない」と話した。雇用を前提とした訓練だったが、夫婦ら2家族は就職を拒否した。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110929/asi11092900180000-n1.htm

産経新聞の見出しに悪意が感じられます。難民でいるよりはマシなんだから、どんな仕事でも我慢すべきだと、彼らが我儘であるかのように批判するのは酷い話だと思います。気仙沼市津波に襲われ家も仕事も失った人に向かって「ホームレスになるよりはマシなんだからオマエは農業をやれ。シンドイなどと贅沢言うな。イヤなら壊れた家にでも帰れ。」とは言わないでしょう。難民の皆さんは、ミャンマー政府が少数民族を武力で弾圧するため国境を越えてタイの難民キャンプで暮らしていた人達です。やる気のない失業者とか浮浪者ではなく政治的な被災者です。
難民になる前はバイクの修理工だったかもしれませんし、自営業で雑貨屋だったかもしれません。中には教師だったりする人もいるかもしれません。この夫婦がどのような仕事をしてきたのか知りませんが、気仙沼被災した人が、これまでの職歴や技能や当人の希望をふまえて求職活動するように、ミャンマーの人にも同じ機会が与えられるべきです。
難民を受け入れるとは、文句を言わない奴隷を受け入れるのではなく人権を持った人を受け入れる事です。

TBSの報道を見ると、研修と言う名の強制労働だった様子がうかがえます。中国などから来る「研修生」や「技能実習生」を、都合のよい奴隷のように扱っているパターンの繰り返しです。
こうした日本政府の仕打ちが、既に悪影響を生んでいます。

ミャンマービルマ)から逃れてタイに住む難民を日本に受け入れる「第三国定住制度」で、9月末に来日予定だった6家族26人のうち2家族8人が来日を辞退した。「日本での生活が不安」などと理由を説明しているという。(中略)
第1陣は日本での研修期間を終えて今春から三重、千葉両県で暮らし始めた。老朽化した住宅や労働条件などに不満が出ており、事前研修中だった第2陣にも国際電話を通じて、その状況が伝わっていた。関係者によると辞退した家族には乳児がいたり、出産予定があったりで日本での暮らしに不安を抱いたという。

http://www.asahi.com/international/update/0915/TKY201109150647.html

この記事に書かれている第1陣とは、まさに今回苦情を訴えている夫婦を含む人達です。「ニッポンはヒドイところだ」という噂が現地で広まり、日本行きが怖がられているのです。「別にそれでイイじゃん。難民なんて来て欲しくないし。」という人もいるでしょうが、欧米諸国はミャンマー難民を既に5万人以上も受け入れています。政治的に迫害されている人々を、国際社会みんなで分担して受け入れているんです。仮にもOECD加盟国で世界第3位のGDPを持つ国が、約束した年間たった30人の受け入れさえ満足に対応できないと言うのは恥ずかしくないでしょうか?。相変わらず、国連IMFに金を出すことしかできないアホだと思われます。

財団法人アジア福祉教育財団・難民事業本部

何故こんなみっともない事態になるのか。一言で言えば、受け入れ組織の対応がまったく適切でないからです。
この難民受け入れ事業を行っているのは、「財団法人アジア福祉教育財団・難民事業本部」というところです。外務省官僚がゾロゾロ天下りしているハズです。
平成23年度・難民事業受託特別会計収支予算書の概要をexcelに写しました。(財団法人全体の予算でなく、難民事業本部の予算です)

まず左半分を見て下さい。左上、総予算が年間8億3000万円で、その内大半の7億7000万円が外務省から出ています。その下に外務省分の費目を並べていますが、難民に支給されている又は難民の為に使われていると思われる費目を赤字で、その他事務経費を青背景にしました。一番下にそれぞれの合計を表示しています。
一目でわかるように、事務経費が異様に高額です。3億7000万円を支給するのに、事務経費が4億円かかっています。有り得ない話です。
いやいや、日本語教育や職業訓練に経費がかかるんだろう、と思われるかもしれませんが違います。右列を見て下さい。日本語教育費は文化庁から、職業訓練費は厚労省から別途予算が出ています(厚労省分も4割が経費で、これも取り過ぎですが)。

【削除(1)】

今回の、「農業やりたくない」と言った難民がこのまま日本に残って生活保護を受給したら税金泥棒だからミャンマーに追い返せと言った意見もあるようですが(もちろん本人は生活保護希望でなく別の仕事に就きたいと言っています)、明らかに、税金を盗んでいるのは難民でなく財団法人アジア福祉教育財団・難民事業本部であり、官僚OBどもです。日本から追い出すなら、いっそ彼らを追い出すべきでしょう。
財団はまともに仕事をせず、難民を農家に売り渡して強制労働に従事させ、難民が対策を求めても『「頑張れ」といわれるだけで何もやってくれなかった』のです。もしここで難民を本国に追い返せば、一番喜ぶのは当の財団の連中です。面倒見る難民の数が減り、難民に支給する金は減り、でも自分たちの経費は4億請求する。仕事は減って給料は同じなのですから、願ったり叶ったりです。

じゃあどうすればいいのか?。財団を解散して難民に直接金を支給する、というのはどうでしょう?。
【以下の文章については、コメント欄で「現金支給はよろしくない」との指摘があります。】
ミャンマーの難民は家族で来ています。1家族平均4-5人のようですが、とりあえず約30人は4人程度×8家族とします。で、1家族に年500万円支給します。イマドキ年収500万円なんて立派な金額ですが、多めなのには理由があります。で、年500万円支給を10年継続します。そのかわり、500万円で生活費だけでなく、自分たちが民間の日本語学校に行く金も出しなさい。1-2年で日本語学習が終わったら、その後は自分で考えてやりたい仕事の職業訓練なり専門学校の学費も500万円から出しなさい。と命じます。で、10年で支給が切れるので、それまでに自力で就職して自立しろと。国は、アパート契約の保証人とか必要最低限のサポートに留めます。細かい生活マナーなんぞは先輩在留ミャンマー人に聞けば済みます。近くの同郷人や同胞団体を紹介してあげればいい。

【削除(2)】

悪いのは農業をしないミャンマー人か、天下り法人の受け入れ態勢か?。現行の、「実は何も面倒見ない財団が4億かすめとって難民を農家に売り渡す方式」と「金を渡し、各人が考えて民間の日本語学校、希望する民間の専門学校等に通って自立を目指す方式」のどちらが良い成果を上げると思いますか。

【追記】難民を支援している弁護団が外務大臣あてに提出した「申入書」があります。→コチラ(pdf注意) 研修先の農業生産法人や財団の対応が詳しく書かれています。ご参考下さい。

【追記】ぷう さんからエントリーの誤りについて指摘がありました。その一部を引用します「(日本には、これまでに受け入れた)難民とその家族が1万人以上生活しており、外務省委託事業費の中の事務経費には、これら難民の生活相談に対応する相談員の給与や難民コミュ二ティが開催する行事への支援などの経費と、セミナー講師の謝金などが含まれています。ですので、この事務経費が妥当かどうかは別として、決して難民一人に2700万円かかっているわけではありません。」( )内はmizuiro_ahiruによる補足。コメント全文はコメント欄を参照下さい。

指摘が正しいと思われますので、エントリーから以下の二か所を削除しています。
削除(1)直近5年間の受け入れ実績から、年間平均30人の受け入れに予算8億以上が投じられ難民一人に2700万かかっていると記述した箇所
削除(2)難民一家族に500万円を給付しても現行予算より割安になると記述した箇所

以上、記述の誤りをお詫びして訂正します。