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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

成人の日について考えていたら、今の若者の夢をブチ壊すべきだという結論に達した件

朝日新聞の社説がキモイと評判なので、真似をして若者に語りかけてみたいと思います。ああ、またオヤジの「居酒屋若者バッシング」か、などと言わずに、聞いて下さい。

成人おめでとう。なぜ親や社会が、新成人の皆さんを祝うのだと思いますか?。え?成人したんだから当たり前だろって?。まぁ、この図を見て下さい。
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これは1930年(昭和5年)の日本の人口ピラミッドです。皆さんのおじいさんやおばあさんが生まれた頃でしょうか。これを見ると、生まれた子供の中で生きて成人の日を迎えられたのは、ざっと3人に2人程度だと分かります。3人に1人は病気などで未成年のうちに亡くなったわけです。明治や江戸時代に遡れば、この傾斜はもっとキツかったでしょう。生存率は半分くらいだったかも。成人の日を迎えられた人は、希少とまでは言えませんが「生き残れた」勝ち組だったのです。だから祝い事だった。今も不幸な病気・事故、いじめによる自殺などはあります。ただ統計的に見て、1991年の出生数は122万3千人で、今年成人を迎える人が約122万人だとニュースで言っていたので、まぁ殆どの人は成人を迎えています。そういう意味では、もう成人式なんて祝う必要はないんです。それが分かっているから、祝う方も祝われる方もイマイチ本気じゃない。惰性の儀式になっています。
では、皆さんの親が皆さんを本気で祝ってくれるのはいつか?。それは多分、就職を決めた時ではないかと思います。まっとうな会社の正社員になれるのは、同学年の中の3人に2人程度。もしかしたら半分かもしれませんから、希少とまでは言えなくても「就職できた」勝ち組です。これは祝うに値します。成人式より就職式です。

では、どんな就職をすれば親がとりわけ喜んでくれるか、皆さんは既に理解されているようですね。

今後働き始める新成人に、将来どのような職業に就きたいか尋ねました。1位は「公務員」で19%、2位が「会社員(技術系)」15%、3位「会社員(サービス系)」「会社員(事務系)」が各々6%となりました。公務員では、「地方公務員」「教員」が人気となっています。(マクロミルが実施した新成人に関する調査の結果)

http://www.macromill.com/marketinggirl/report/shinseijin.html#topic03

そう、公務員です。親も喜ぶし、皆さん自身も一番安心できる就職先でしょう。でも、私は皆さんのこの夢をブチ壊すべきだと感じています。ブチ壊すと言うのは、公務員の給料水準はもっと下げるべきだと言う事です。
給料の引き下げは「無意味な公務員いじめ」「公務員の給料を下げても民間の給料が上がる訳ではない」「むしろ公務員の給料を維持し、民間給料を下げさせないための防波堤にすべき」といった意見もありますが、私はこれらに賛成しません。公務員の給料を維持しても上げても、それで民間給料が上がることはありません。民間給料の源泉はその企業の利益ですから無い袖は振れません。北朝鮮のエライ人がどれだけ贅沢な暮しをしても、それに釣られて庶民の暮らしが楽になることはないように。
公務員の給料を下げる事には意味があり、公務員の給料を下げれば民間の給料は上がるのです。それを説明します。

公務員の給料を下げると「優秀な人が役所に来なくなるから良くない」と言われます。問題は逆です。今の日本では、優秀な人が役所に行き過ぎる。民間企業の不調・不安定さを恐れて公務員が就職人気№1になり人が殺到、優秀な人が役所に取られてしまう。それは国家の損失です。
役所に勤める人はiPhoneを生み出すこともなく、googleを生むこともなく、ニコニコ動画もクックパッドも楽天も生み出しません。別にIT産業じゃなくてもいいですし、ジョブズ氏や三木谷氏になれなくても、どこかの民間企業に勤めてスゴイ商品の開発に参加する、ユニークなサービスのリリースに貢献する、優れたビジネスモデルを構築する一員として努力する。その企業が成果を出せば、そこに需要が生まれ、経済は成長して利益が増し、賃金は上がり雇用が創出されます。その為には何より、優秀な人が民間企業で働く(あるいは自身で起業する)必要があります。
景気が低迷する中で、役所の「圧倒的安定」はいつのまにか過剰な引力となり、ブラックホールのように優秀な人材を吸い込んでいます。吸い込んだ貴重な才能や意欲が役所仕事に埋没してしまうのです。ブラックホールを止めなければなりません。
役所が何もしていないとは言いません。保育園を増やしたり下水道を整備したり学校の校舎を耐震補強したり。することは山ほどあります。大事な仕事です。でもそれらの仕事は、税収が上がり予算が確保できれば、スゴク優秀な人がいなくても普通のマジメな人でこなせます。優秀な人は「税を使う側」でなく「税収を生みだす側」にこそ必要です。

優秀な人が役所に吸い込まれるのをどうやって止めるか。労働時間を異常に長くしたり、労働環境を劣悪化するのは法律的にできません。ですから、役所の引力を弱めるには給料水準を下げるしかありません。
つまり、公務員給料を下げる「意味」は優秀な人を役所の引力から逃がすためであり、「民間の給料が上がる」のは優秀な人を民間ビジネスに優先的に送り出す事で経済成長を起こし給料の上昇を実現させるのです。
もしあなたの住む町に若者を雇用する場が二箇所しか無かったら、一つが町役場でもう一つがパチンコ店だったら、町役場の給料はパチンコ店以下にすべきです。そうすれば、若者には三つの選択肢が生まれます。安定を優先しパチンコ店より安い給料で役場で働くか、それよりは給料がマシな民間のパチンコ店で働くか、リスクを背負って都会に働きに出たり地元で自営業を起業するか、です。リスクを負わない公務員は、三つの中で最低の給料が妥当です。

世の中全体として、あなたが「私は公務員になりたい」と言った時に親が「公務員は安定はしているけど、さすがに給料が…。なんとか頑張って民間で働き口を探した方がいいよ」とアドバイスしてくれる世の中になるのが理想です。コネで役所に入りたがる人間なんて一人もいなくなるのが理想です。少なくとも「公務員になるのが一番の勝ち組」などという国に未来はありません。
公務員が一番人気の就職先と言う夢をブチ壊すのは気が引けます。でも私はイジワルがしたいのではありません。ギリシャのようにならぬよう、皆さんがこれから働いていく時代に日本が経済成長を取り戻し、給料が今より豊かになるように願えばこそ、皆さんの同学年の中で優秀な人ほど民間で働きたがり、公務員を夢の職業としないよう給料を調整する必要があると思うのです。
民主党と言う政党があり、公務員の給料を下げると言っていました。でも、どうもその約束は守られないようです。大人って、実は約束を破ることもあるんですよ。え?そんなことは知ってるって?。あぁ、そう。でも今、橋下徹さんという大阪市長が、大阪市の公務員の給料は下げると息巻いています。「民間並みに」ということなのでやや物足りませんが、それでも実施する方が良いと思うので、遠くからひっそり橋下さんが政策を断行するのを待っています。そしてその波が全国に広がることを期待しています。
若い人たち、どうか悪く思わないでください。