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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

SONYもDeNAも、ちっとも悪くない

SONYは何も悪くない

AppleiPodiPhoneを生み出した時、「なぜSONYがそれらを生み出せなかったのか?」悔やむ声、あるいは批判する声がありました。SONYがいつの間にかイノベーションを失ってしまったと。

Appleの歴史は1976年にApple Iを生みだしたところから始まりました。iMacを発表したのが1998年で創立22年目のこと。2001年のiPod発売は25年目、iPhoneは2007年(31年目)、iPadは2010年(34年目)の出来事です。振り返って、我らがSONYは1946年の創立。トリニトロン方式のブラウン管を開発したのが1968年で創立22年目のこと。1975年の家庭用ビデオβ-max発売は29年目、walkmanが1979年(33年目)、Compactdisc(CD)を発売したのが1982年(36年目)のことです。
SONYイノベーションが輝いていた「あの頃」は、Appleの「今日」ときれいに重なって見えます。
今から30年たった2040年代になって、その時にもまだApple社がアメリカで一番独創的なイノベーションの担い手だろうと予想する人、あるいはその座をずっと維持し続けるべきだと考える人はあまりいないでしょう。その時代にはその時代の新しい企業が生まれているはずです。SONYも日本のイノベーションを一人で担っているわけではなく、悔やむなら「なぜSONYのような企業が、それ以降出てこないのか?」であり、批判されるべきはいつまでもSONYに頼り続ける日本人、過去の栄光にすがる心理かもしれません。

DeNAも悪くない

日本が必要としている「新しい企業」の一つがDeNAです。別にGREEでもいいですけど。しかし、こうした企業は世間の評判があまり良くありません。「無料」のはずのゲームが実は人の承認欲求につけこんで情弱から金を巻き上げる、タチの悪い商売だと言われます。
でも私は気になりません。白猫黒猫ではありませんが、何であれ自発的に金を使いたくなる需要を生みだす商品やサービスは正しいと。ソーシャルゲームに金をつぎ込むのは無駄でしょうが、日本人がみんな生きるのに必要な事にしか金を使わなければ日本のGDPなんて200兆円弱かもしれません(いや、数字はいいかげんですけど)。世の中の大半は無駄。無駄と言って悪ければ、「他の人から見ればバカみたいだけど、本人はそれで歓び満足しているモノ」でしょう。

HERMESの「バーキン25 スペシャルオーダー ピンク×ブーゲンビリア」とやらが188万円で売れるのは、金と虚栄心を山ほど抱えた人間に「これを持っていると自慢できますよ」又は「これを持っていないとライバルに負けますよ」という強迫観念を植え付けて金を巻き上げている訳ですが、買った本人が革を撫でながら「一生モノよねぇ」とうっとりするなら構わない。「一年前の服なんて(靴なんて)流行遅れで着れませんよ」と圧力をかけ続けるファッション業界も、モデルチェンジを繰り返して買い換え需要を膨らませる電機・自動車業界も、買った人が満足するならそれで構わない。馬鹿げていると思う人には買わない自由があります。
10月14日以降twitterあたりでやたら盛り上がっているiPhone4Sだって、超情弱な私から見れば「4では性能・機能が足りない」と言えるほど使いこなしている人がどれだけいるのか?と内心ケチをつけたい話です。大半の人は、いち早く新型に飛びついて周囲に自慢したいだけではないかと。大したアプリも入っていない新型を振りかざして「やっぱ4Sの性能は一味違うわ」とご満悦な人は、怪盗ロワイヤルに金をつぎ込んでゲームを優位に進めて何かに勝った気でいる人よりどれだけ情強なのか?。でも本人が楽しんでいるなら、それは良いことだと思います。

モバゲーやGREEには課金を巡るトラブルや出会い系的悪用もあるのかもしれませんが、新しい商品・サービスにトラブルはつきものです。SONYだって初期の開発品は炊飯器、それも「木のお櫃にアルミ電極を貼り合わせただけの粗末なもの。水加減や米の種類によって芯があったりお粥のようになったりで、うまく炊けることのほうがまれ」という失敗品でした。今ならamazonのレビューにボロクソに書かれる話ですが、ここで終わったらテープレコーダーもトランジスタラジオも生まれなかった。
VHSの普及がアダルトビデオ産業と二人三脚だったからといってVHSは後ろめたい技術ではありません。現在、一年間の交通事故死者数は4,900人ほどですが、最悪だった昭和45年(1970年)には16,765人にも登りました。道路や交通法規の整備の遅れもありますが、最大の原因は自動車の安全性能の劣悪さです。自動車業界は何十年かけて、大勢の犠牲者を出しながら徐々に安全性能を改善してきました。それに比べれば、「子供が勝手に課金アイテムを買って、親に100万円の請求書が届く」なんて些細な問題です。誰も死んでないし、今後改善していけば良い話です。

Facebookは、最初は女子学生の顔写真を勝手にweb上に公開して美人投票するシロモノだったことは良く知られています。もしFacebookが日本で生まれていたら、この「出自」はずーーーーーっと批判の対象になり続けたでしょう。横浜ベイスターズを買収しようとしても、ナベツネ氏あたりが「品性下劣な会社に球団経営はさせられないね」と言ったかもしれません。
ナベツネ氏のような、もはや「モバゲー」という四文字さえ正しく覚えられない人間が何を言おうと構いません。若い世代を悪く言うのは老人の習性ですから。でも、twitterやblogを使う世代が「所詮は出会い系」「無意味なサービスで中身が無い」と批判しているのを見るのはとても寂しい思いがします。
自分の価値観に合わなくても誰かがそこに価値を見出し消費しているならそれで良く、欠点のある新しい企業や商品やサービスにも寛容に改善しつつ伸ばすことがより多くの新興企業を育て、その中から次のSONYが生まれる確率を高めていくはずだと思います。

余談

カジノを容認していれば大王製紙のボンボンが使った100億円はマカオや米国なんぞに流出せず、国内で消費されていたかもしれません。内需拡大に貢献したのに…。いやこれは冗談ですけど。