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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

グローバル採用は日本人を救ってくれるか?

Panasonicの2011年新卒採用中8割が海外採用とか、ユニクロの来春2012年新卒採用予定1300人中1050人が外国人とか、「グローバル人材採用」などと称される動きが活発化しています。こうした傾向がどんどん広まれば、日本の労働環境が改善されるだろうか…と妄想します。

長時間の残業、休日出勤上等、有給は使用不可、単身赴任も拒まず。こういった厳しい労働慣行は、会社で働くのは男だけという男ムラ社会がベースにありました。とてもマトモな家庭生活を営めるものではありませんが、家事・育児等は全て専業主婦たる女性が一身に背負うので父親不在でも家庭は崩壊しないシステムです。
1985年の男女雇用機会均等法で女性総合職の道が開けた時が働き方を改善するチャンスでしたが、ほどなくバブルが弾けて企業は切羽詰まった状況になり挫折。むしろ女性が男ムラに合わせるよう要請され、一部の女性は妊娠・出産を機にムラ社会への適応を諦めて退職するか、一部は出産を諦めてキャリアを積む道を選び、男ムラの掟はめでたく女性の参入にも屈せず生き残った形です。女性管理職の少なさや出生率の低さと言う副作用と引き換えに。
こちらの資料によりますと(pdf注意)2005年頃のデータで、管理職に占める女性の割合は日本が10%。米国43%、独37%、スウェーデン30%だけでなく、フィリピン58%(高っ!)、シンガポール26%、マレーシア23%にも劣っています。*1
そこにガイジンが入ってくる事で、外圧によって今度こそムラの掟は壊されるのか?という期待です。

要素価格均等化定理とかいう奴があります。「家電製品を組み立てる」という事を色んな国の工場で出来るようになると、そこで働く工員さんの賃金は徐々に一つの水準に収斂していくという話で、新興国では賃金が上がりますが、同じ事を先進国でしていると賃金が新興国並みに向けて下がって行く現象です。
なので、多国籍な人が国境を越えて動くようになると労働慣行も徐々に均等化するのではないかと考え、もし日本の労働が各国の平均より劣悪なら(サービス残業とかね)平均並みにまで収斂しつつ改善されないだろうかと。これはもう期待と言うか願望ですが。

とはいえ楽観はできません。製造業は80年代から海外展開を進めてきましたが、それが国内の労働慣行を改善したようには思えません。海外事業所の勤務はその国の水準に合わせる、でも日本国内で働く時はムラの掟に従う「一国二制度」ならぬ「一企業二制度」になっていました。
そこでグローバル採用に期待するのは、単に海外での採用数増加ではなく人事交流の活発化です。さすがに東京本社で机並べて働いていて、隣の外国人はいつでも有給取れるが日本人は熱が39℃以上出たか親が死んだとき以外ダメとは言えないでしょう。また、海外で多くの日本人が働いて帰ってくれば「この働き方はおかしいのでは?」という声も高まるでしょう。

「子供を保育園に迎えに行くのでワタシ残業はデキマセーン」と言われて課長の目が点になるとか。外国人社員(男)から育児休業を申請されて人事部が目を白黒させるが、でも就業規則には育休取得に性別制限なんか当然書いてないので断れなくて困るとか。外国人社員(女)から「何故女性管理職がこんなに少ないのか?役員に女性はゼロなのか?ワタシ達にキャリアパスは本当にあるのか?」聞かれて困るとか。海外スタッフの間で日本の猛烈勤務のことが陰で「jail」と呼ばれている事が判明するとか?。
そんな色んな事がありつつ、均等化作用のおかげで男性も家事育児ができる時間に家に帰れるとか、女性が子育てしながら勤務できるのが当たり前になるとかが実現すればいいな〜と、際限なく妄想してしまいます。

まぁ、結局「一課二制度」が成立して隣の席の外人は有給取れるが日本人は…、になるだけかもしれませんが。

*1:日本より低いのは韓国7.8%、仏7.2%。韓国はなんとなくわかりますが、仏は…そうなんだ。