水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

結局、オフピークはオフ東京しかないことがはっきりした

昨日(3月25日深夜・暦上は3月26日)放送の朝まで生テレビを見ました。一番面白かったのは、ホリエモン氏と東京電力執行役員営業部長・島田保之氏の会話でした。私から見ると非常に大事な興味のある質問を堀江氏がしていたのですが、島田氏の回答が要領を得ないのと、途中で猪瀬直樹氏がイラついて話をさえぎったりしたので、結論部分を見逃した方も多いのではないかと思います。(島田氏は非常に真面目そうな方だったのですが、緊張されていたのか質問の芯を理解しないピントがズレた冗長な回答が多く、見ていてジリジリさせられました。)
ともかく、堀江氏はどうすれば計画停電を終わらせられるのか知りたくて仕方が無い様子で、聞いていたのは二点。昼間の電力ピーク需要を夜間に回して均等化し、終日供給能力以下に抑えれば計画停電はなくせるのではないのか?。夜間の電力需要は現状でも供給能力を下回っているのに、これ以上節電して意味があるのか?。です。

結局、回答の大半は堀江氏の方が「要するに、これこれこうなのは、こういう事情ですか?」と早口でまくしたてて、島田氏が圧倒されながらコクコク頷くような形になったのですが、概要以下のようになります。
(1)昼間の電力需要の一部を夜間に回し、供給能力ギリギリ範囲内の電力需要が24時間継続するのは、東電にとってあまり良い事ではない。(2)深夜の電力需要は2500万KW程度だが、節電してもっと低下させることには意味がある。(3)その理由は、電力の供給状態にある。普段は電力ピーク時に短時間だけ稼働させるような小規模火力発電所や、普段は稼働していない老朽化した発電所を、現在はずっと稼働させている。昼間の電力需要を夜間に回して、3300万kWのようなフル稼働を24時間×長期間休みなく継続させると、発電所にトラブルが発生しかねない。(4)従って、夜間の電力需要をもっと下げて、適宜順次、発電所を止めてメンテナンスできるようにする方が良い。ということのようです。

朝生では誰も食い付かずサラっと流されていましたが、これはとても重要な事実だと思います。私もこれまで何度も、工場などの大口需要家に対しては昼間の電気料金を大幅に引き上げて、電力需要が夜間に回ってオフピーク=昼と夜の需要の平準化を進めるべきと書いてきましたし、経済学者らから同様の意見が多く出されていました。でも、そのやり方を長期間続けるのは、当事者たる東電から「適切ではない」と言われているのですから。
オフピークしても問題は解決しない。むしろ、電力需要を平準化して生き残った貴重な発電設備を24時間フル稼働させるのは事態を悪化させる恐れもあるのです。小規模発電所や老朽発電所が超過稼働で火を噴くのを避けるためには、オフ東京、経済活動が東京圏を出て名古屋なり大阪なり福岡に移転し、東京電力の抱える電力需要総量を(発電所を順次止めてメンテナンスできる範囲内に)減らすしかないのです。これはまた、日本経済はいよいよ困難な事態に直面したものです。