水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

ロウソクの揺れる炎と計画停電

ロウソクの揺れる炎をボーっと見ながら思いました、この計画停電の仕方は良くないと。
昨日・一昨日と私は、計画停電は止めて電気料金の引き上げで電力需要を減らすべきだと主張しました。その考えは変わりませんし、14日の池田信夫氏に続き今日15日は藤沢数希氏も「東京電力は直ちに電気料金を大幅値上げせよ」と書いています。が、藤沢氏は同時に「政治的に極めて難しいのはあまりにも明白」と書いています。氏のブログに批判的コメントが殺到していることからも、この予想は正しいようです。

というわけで私も少し現実的になって、計画停電と言う枠組みの中でもう少し改善できないか考えてみました。
問題なのは、予定表では関東中が毎日どこかの時間帯で停電する計画になっているが実際にはそうはならない「オオカミ少年度」の高さで、停電に備えて対応したスーパーの閉店などが、予定が外れるたびに社会に多大な無駄と損失を与えていることです。
オオカミ少年化する原因は二つ。朝から夜まで停電計画があるが、暖かい日は17-19時帯以外の予告は未実施に終わる事。もう一つは、グループ分けがたった5つで1グループが大きく、停電しても1グループの中の一部だけで実施され残り地域では未実施で終わる事です。後者については、1グループを全停電すると、ざっと500万Kwの電力が削減される計算のようですが*1、500万Kwも需要超過になることはなかなか無いので、対象区域の中で実施未実施が別れるのです。

改善案は、(1)グループを細分化する、(2)そのグループが何時から停電するのかは決めない(予告しない)、(3)各グループの停電時間は2時間にする、です。最後の(3)は、今日約2時間の停電を経験して「これくらいがいいなぁ、3時間は長いなぁ」と思ったためです。
少し説明します。とりあえずグループ数はアルファベットA-Zの26とします。1グループ約100万Kw程度になります。で、明日電力が不足したらグループAから順に停電実施すると予告します。当日、夕方電力不足が発生するとグループAを停電させます(グループA対象地域は全停電させます)。更に需要が伸びて再度電力不足になれば、グループBを上乗せで停電に。Aが2時間停電しても需要がまだ減っていなければA復旧と入れ替わりでグループCを停電に。同様にBと入れ替わりでDを停電させます。この日は以上4グループの停電で乗り切ったとすれば、翌日はグループEから順に停電。この日は暖かくてE&Fの2グループだけの停電で済めば、三日目はグループGから停電します。この日は寒くて電力需要が多ければ、グループGは朝から停電開始。夜までに例えばG〜Mまで7グループを順次停電させます。こんな感じ。
自分の地域が何時から停電になるかは事前にわかりません。ただ、一旦停電すれば、アルファベット一周するまで次の停電は無いとはっきりします。この期間、停電するのかしないかわからないオオカミ少年を追放できます。一日平均4グループ投入するとすれば一周するのに6〜7日、土日祝日は停電しないとすれば8〜10日ごとに停電が回ってきます。
停電しない日々は、スーパーも肉や魚、冷凍食品を入荷出来ます。例えば自分がグループGなら、ある日グループY・Zと停電してもまだ不足があって最初に戻ってグループAまで停電すれば、明日か明後日、遅くても3日後あたりにグループG地域が停電すると予想できるので、スーパーは仕入れを止めて売り切りモードに入り消費者も3-4日分食料を買い込みます。
いつ停電するかわからない日々を2-3日受け入れる代わりに、残り5-8日間は一切リスクなしの日々を得られます。どうでしょう。

鉄道については、既に国交省が東電と話し合っているようですが、一般の停電とは完全に切り離すべきだと思います。
東京は、世界的に見ても最高クラスに都市鉄道網が活躍していて、その分自動車交通は抑制されています。それでも万年渋滞しているのは東京の道路網が貧弱な為で、そこで鉄道が止まると道路による物流はたちまち完全麻痺します。それほど重要なインフラが、「停電しないかもしれないけど一応停電する計画だから朝から運休する」なんていうのは絶対マズイ対応です。
鉄道については給電は一切止めず、鉄道事業者側の計画的運行削減で電力消費を削減すべきです。例えば全路線一律終日20%運行削減(5本に1本間引き)すると共に、毎日日替わりで3路線ほどを順繰りに50%運行削減にする、というような感じです*2
明日は西武池袋線都営三田線とJR総武線が大量間引きされる。明後日はどこどこの路線が、金曜は…、と事前に分かっていれば対応できます。明日は絶対遅刻できないならいっそ会社に泊り込むとか、仕事の調整が可能なら前後の日に頑張って働いてその日は休暇にするとか、勤番表を操作して対象路線に乗るバイト君はシフトから外すとか。

企業も、製造業は始業を8時にしてサービス業は9時か10時にするとか、鉄道の輸送能力が毎日20%減でもなんとかなる出勤体制を作るなど、電力供給3300万Kwで長期的安定的にやっていける体制を考えた方がいいと思うんですよね。

*1:500万*5=2500万で供給限界3300万と一致しないのは、23区の一部など対象除外区域があるためでしょうか。

*2:削減率とか、大幅削減する路線数は考え方を示すもので適当です