水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

入試偏差値学部の逆襲

【続き】入試偏差値だけが売り物の旧学部はどうすればいいでしょう。それには、企業がもっと本音を出すことだと思います。
大学の講義や学士という肩書に何の価値も認めていない癖に、「早期の就活は学業の妨げになるから、採用活動を現状より4カ月ほど遅らせます」などという下らないタテマエ論を言っていないで、むしろ逆に、合格発表があった直後の新入生をリクルートすればいいと思います。採用する人員が「大卒」ではなく「大学中退」になってしまうのが、なんだかレベル下がったようでイヤなのでしょうが、必要なのは「大入(大学合格)社員」だという事実に割り切るべきです。

ずば抜けて優秀な学生は、合格直後の3月中に内定をもらい、4月1日にはA大学の入学式でなくX社の入社式に出れます。その次のまぁまぁ優秀な学生群も、1回生の間に内定を得て、通年採用で入社するか遅くとも翌春には就職できます。4年間も無駄な学費と時間を浪費しないで済みます。
企業側は、22歳より18歳の方が人件費が低い、大学4年間でバカになる前の、まだ受験勉強で脳細胞がピキピキしている人間を雇えるというメリットがあります。
優秀でない学生は2年以上の長期就活を余儀なくされますが、それは今も同じ。少なくとも、わざわざ留年して5年目の学費を払う現状よりマシでしょう。また、1回生の時は大企業に執着して玉砕した学生も、2回生では身の程を知って対象を中小企業に下げることも出来ますし、それが悔しい人は資格取得なり外国語能力なりを身に付けて自身の市場価値を上げてリベンジするのもいいでしょう。
また、学年途中で内定が決まって翌春入社の人は、残り期間で海外留学に行くのもアリです。昨今、日本人の海外留学が減っていると言われますが、バブルの頃は企業が若手社員を留学派遣している例が多々ありました。つまり昔も、学生がリスク背負って留学していたのでなく大企業就職という保障を確保したうえでの留学だったのです。今の日本企業に内定者に留学費を出す余裕はありませんが、1回生で内定を得た人は残り三年分の学費が浮くのですから、入社までの間、自費で留学しても損はありません。留学しているうちにもっと良い道を見つけたら、内定を蹴って留学を続けるなり海外企業に入社しても構いません。なんせ自費留学ですから、誰にも文句は言われません。
大卒という肩書は得られませんが、例えば転職する際の履歴書に、「2015年3月A大学卒」ではなく「2011年3月A大学合格 同年4月X社入社 以降4年間○○部門にて××業務に従事」と書けばいいのです。これを見れば転職希望先の人事部だって「むむ、大学合格から1か月でX社に採用とは、こいつ優秀だな。しかもその後××業務に4年従事ってことは、こいつ22歳にして即戦力じゃん!。よし、採用!!」となるでしょう。

大学側は、全学生から四年間学費を巻き上げられたはずなのに、優秀な学生からどんどん抜けていくので大損害です。仕方ありませんから、講義を受けさせるべき学生数も減るのに比例して無駄な教授もどんどん捨てましょう。
また、優秀な大学なら「わが大学に入学すれば、合格発表後の1カ月で学生の2割が就職して4月に即入社しています。更に1回生中に5割以上が就職。二年以上学費を払っているのは全学生の3割未満です。」とアピールすれば受験生が増加。受験費用と入学金で多少は収益減少を取り戻せるかもしれません。
「入試偏差値」こそが学部のコア価値だとはっきりさせることで、一発芸入試だの推薦入試だのを廃止。減らす一方だった受験科目数も復活させ、いかに入試が難しいかの競争になります。これまでの、いかに入試要件をイージーにして入学者人数を稼ぐか、とは真逆の戦略です。それはそれで、高校の教育の質を高める効果があるでしょう。

ていうか、今現在の就活に1回生が参戦したらどうなるでしょう?。大企業は規則で頭ガチガチなので「来春卒業予定者のみを対象とします」と拒絶するでしょうが、中堅とかベンチャーどころなら社長の裁量次第でどうにでもなりそう。
「学生時代はサークルでリーダー的役割を率先し」なんていうアホな自己アピールするより「今、私はA大学○○学部の1回生ですが、御社が内定出していただければ中退して就職します。二年目以降の給与が実力主義なら、初任給は高卒の人と同じで結構です。ちなみにセンター試験のスコアはnn点。高校時代は○○部で県大会○回戦まで行きました。」ってな話をする方がよほど目立てるように思えますけど。

最後に、4年間就活しても内定が得られなかった学生は、もう企業に雇ってもらう事は諦めましょう。M-1グランプリがコンビ結成10年以内を参加要件にしているのは、「10年やって芽が出なければ諦めろ」という島田紳助氏のメッセージだそうですから。
でも、そうした人の中にはコミュ障だけど中身は優秀という人もいるでしょう。大学内で同志を見つけて、IT起業で一発逆転とか狙ってみればいいのではないかと。