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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

ねじれたブランドが欲しい

「ベスト・グローバル・ブランド2009」なるランキングを見つけました。ここがどういうサイトなのかよく知りませんし、ブランド価値の評価には様々なモノサシがありますから、一つのランキングに決めることなど出来ませんが、まぁ参考として。
トップ5を見ると、1位Coca・Cola(米)、2位IBM(米)、3位Microsoft(米)、4位GE(米)、5位NOKIA(フィンランド)となっています。米国強し。全体でも100社中51社を米国企業が占めているのですが、6位マクドナルド、7位Google、9位Intel、10位Disneyなど、巨大な時価総額と優越的な地位というか、独占企業ではないものの業界内でも特別視される「王様企業」が多く目につきます。
日本からは7社がランクイン。国別で見ると、独(11社)、仏(9社)に次いで4位ですから立派なものです。内訳は8位TOYOTA、18位HONDA、29位SONY、33位Canon、39位任天堂、75位Panasonic、96位LEXUS、となっています。多少なりとも米国型「王様企業」に近いのは任天堂くらいでしょうか。他は「戦士企業」、つまり製品はコモディティ化が進んでいて、多数の競合他社があり、激しい価格競争に勝って業績を獲得している感じです。そして日本に似ているのがお隣・韓国。19位SUMSUNG、69位HYUNDAIの2社が入っています。2社とは言え全体で13か国しかランキングに入っていないので、これも立派な物でしょう。
他方、米国・王様企業とも、日韓・戦士企業とも性格が大きく異なる企業がランクインしている国が二つあります。まずフランス。16位Louis Vuitton、59位CHANEL、77位Cartier、82位MOET & CHANDON、など。そしてイタリア。41位GUCCI、87位PRADA、88位Ferrari、などとなっています。巨大な時価総額は持っていないが価格競争とも無縁な、むしろ価格が高いほど評価される、狭い意味でのブランド企業=「貴族企業」達です。

これからの日本に必要なのは、仏伊的な、狭い意味でのブランド企業=「貴族企業」のような気がします。量産自動車や家電製品などは、必要十分な性能品質のものを新興国企業で作れるようになるのは自明。10年後の同ランキングには中国企業やインド企業が進出しているでしょう。TOYOTASONYは衰退するか、さもなくば工場はおろか開発部門・本社部門まで新興国に移してコストダウンを図り、看板は残るが日本に雇用は生まない形で繁栄するしかないでしょう。でも、VuittonやPRADAなら低賃金国からもっと低賃金国へと渡り鳥する必要はなく、おフランス製・イタリア製であることが存在価値になります。

とは言え、2010年現在、これといって見当たらない貴族企業を今から作るのは難しい気もします。そこで欲しいのが、ねじれたブランド。つまり本国(日本)での評価より、他国(例えば中国)での評価が高いブランド・又は企業です。
例えば「酒井法子さん」というブランドを考えてみます。決して、最近の麻薬トラブルがあったから引き合いに出す訳ではなく、初期のアイドル人気と後期の女優人気の間に一時不振な時期がありました。まさにその頃、彼女は中国・台湾などで人気が沸騰し、台北でのコンサートを成功させたりしていました。日本での評価以上に海外で高く評価される一例です。

最近の事例では、北海道ニセコのスキー場が挙げられます。ここは雪質がとても良いことから「東洋のサンモリッツ」などと呼ばれ、近年オーストラリアやニュージーランドからの観光客が増えています。貧困化が進み、スキーに関心のある人口が減少している日本人内より、豪州での評価の方が高くなっているのです。これなど適切なブランド戦略を進めれば、中国人富裕層に対しても欧州スキーリゾート地に匹敵する高いイメージを確立することが十分できるはずです。
ニセコだけでなく各地のスキー場や温泉も、上手な戦略を組めば、日本での知名度や評価に関係なく「中国やアジア各国ではやたら有名」といった現象を起こすことが可能だと思います。
服・靴・鞄の類でも、wikipediaを見るとPRADAは「長く低迷気が続」き、「逆三角形のロゴプレートを付けたポコノ製品が広く展開され、ビジネスは発展した。」のは1996年だとあります。表参道や青山あたりで出店しているブランドが上手な戦略を組めば、現在の知名度や評価に関係なく「中国やアジア各国ではやたら有名」といった現象(以下略)
マンガ・アニメ・コスプレなどといった領域でも、結構評価はされているのに、Disneyのようにはビジネスとかブランド化につながらないのが勿体無い事この上なしです。
10年後、20年後の「ベスト・グローバル・ブランド」に日本企業…というか日本に雇用を生む企業、を残すためにも、誰か優秀なブランド戦略家が出てきて欲しいものです。