水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

熱帯夜はナゼ寝苦しいのか

熱帯夜とは「夜間の最低気温が25度以上のこと。」ですが、テレビのお天気お姉さんはしばしば「今夜も熱帯夜となる予想で、寝苦しい夜がしばらく続きそうです。体調管理には(以下略)」といった表現をよく使います。
なぜ熱帯夜は寝苦しいのでしょう。昼間、エアコンの設定温度が25℃や26℃になっていると、私には肌寒いほどです。私の場合はエコ推奨温度と言われる28℃でも全然不快ではありません(この辺は個人差が大きいところですが)。でも、そんな私でも現実に熱帯夜は蒸し暑く、寝苦しく感じます。
ある日、たまたまコンビニに行こうとして夜中に家から出ました。そして発見したのです。「…涼しい。え?、何これ?めっちゃ涼しいやん」。熱帯夜のその夜、家の外はまさしく「エアコン設定温度26℃の世界」で、風がフワリと吹いたりすれば、汗がヒューと引いて行くほどの涼しさでした。にもかかわらず、慌てて家の中に戻ると「暑ーーーい。ムシムシしてる。家の中だけ別世界的に暑いやん。」なのです。熱帯夜は、家の中だけにあったのです。後日、温度計を買ってきて計ると、窓を全開にしていても深夜に部屋の中と外で気温が4℃前後、時には5℃近く差があると分かりました。外気温が十分快適な27℃にまで下がっても、室温は31℃程度あるのです。20℃台か30℃台突入か、ここでの4℃は致命的な差です。

原因の一つは、家の中に多数ある熱源です。冷蔵庫とかテレビとかパソコンとか人体とか、そいつらが家の中を熱しています。もう一つは、家の構造が悪いという問題があります。
例えば、昔の和風建築(ばぁちゃんの家)を思い出すと、部屋と部屋の境は「ふすま」で仕切られていました。風を通したければ二つの部屋が一つの大部屋になるくらい大開放にする事が出来ます。しかも、ふすまの上側は欄間になっていて、天井付近の熱のこもった空気を流すことができました。今の部屋には、扉一枚しかありません。その扉の小さい事。ふすま半枚程度の面積でしょうか。あとはがっつり壁壁壁。いじわるしてるのか?って言うくらい風の通りが制限されます。
そして窓。これも、ばぁちゃんの家の場合、部屋の南側は全面障子になっていて、障子を開けるとそこは縁側廊下。縁側廊下の南面は掃き出し窓と言うのでしょうか、全面ガラス戸になっていて、障子・ガラス戸両方を大開放すると家の中と外の境界がなくなるほどスカスカになりました。風もスースーで、「通る」と言う動詞よりもっと横幅の広い流れです。
今の建築は原則全面壁壁壁で、窓と扉が小さな穴のようにくり抜かれた状態になっています。風はその細い道を「通る」しかありません。ばぁちゃん家はまったく逆で、大袈裟に言えば柱以外は全部開放できる構造でした。


という訳で、熱帯夜が寝苦しくなるのは気温のせいではなく、25℃はむしろ十分涼しいわけで、換気・排熱システムを失った建築デザインが原因だと思うのです。(ちなみに上の写真はコレコレから引用しました。)

和風建築はプライバシーの観念に欠けると言われますが、そうではなくて、きわめて優れた換気・排熱システムを持ったデザインだったように思います。だって、日本の夏は欧州と違って蒸し暑いんだもん。

失われた換気・排熱システムを取り戻そうと、玄関や部屋の扉や窓を全開にしたうえ、複数の扇風機を玄関・廊下・部屋に並べて強制換気をしようとしたことがあります。でも、人工的に作る風流は弱く、特に扉や窓の上辺より上、天井との間、つまり高さ1.8mより上部に滞留している熱気が動かせない感じです。
建築強度に関する知識が何もないのですが、あれってせめて扉や窓の上側、天井との間部分(和風建築でいう欄間があった場所)に、換気窓を作ることはできないのでしょうかね。あそこが通風可能なだけでも換気・排熱能力が随分違ってくる気がするのですが。

あ、エアコンは一応あるんですけど、夜間使うのが苦手なんです。つけっぱなしは電気代が勿体ないですし…。