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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

移民が品切れになる日

クロマグロの国際取引が危うく禁止されかけたり、鉄鉱石の価格が09年度比でいきなり2.4倍に上昇し、原油価格がバレル80ドルを窺うなど、あらゆる資源が不足し、枯渇の危機に直面し、価格が高騰しています。そんな中にあって、唯一といっていいほど派手に余りまくっているモノがあります。その商品名は「人間」。人間を輸入する事を移民受け入れとも言いますが、受け入れる側が移民の購入費を払う事はありません。投資移民のように、移民したい人間(商品)の方が多額の持参金を受け入れ国に払う(不動産・金融資産を購入する)か、あるいは金持ちでない低技能の労働者の場合はブローカーに手数料を払っている状況であり、現状、人間はタダ以下で、選んで買える時代です。

急速に少子高齢化が進行している日本で、人口構成の歪みを補正して不足する税収や社会保険料収入を増やすためには、労働人口を増やす必要があります。今からどんなに子供手当をばら撒いて出生数増加に努めても、増やせるのは今後生まれる0歳児だけ。20代30代の人間を作ることは不可能なので、この層の人口を増やすには移民を受け入れるしかありません。
でも、日本人は移民が大嫌いで、受け入れは遅々として進んでいません。こうした移民忌避の背景には「移民は余っているので、本当にマジで必要な時がきたら、その時に好きなだけまとめて買える」という余裕意識があるように思えます。でも、人間はこの先もずっと余っているでしょうか?。

日本が抱えている急激な少子高齢化は「人口ボーナス」と呼ばれる現象の裏返しでもあります。人口ボーナスとは「ある時期に急激に出生率が下がると、経済成長にとって都合のよい人口構成が一時的に表れる」現象で、日本の場合は戦後に、少ない老人+豊富な労働人口(団塊の世代)+少ない子供(出生率の急激な低下)という組み合わせが高度成長期を生みだしたという考え方です。しかし、人口ボーナスが極端であればあるほど、その30-40年後に酷い副作用が生じます。急増する老人(団塊の世代)と不足する労働人口の組み合わせが、年金や福祉・医療財政の破綻を生みだすわけです。まさに今の日本のように。
日本以外に、日本以上に極端な人口ボーナス効果を享受している国があります。その名は中国。彼の国では「一人っ子政策」という人工的な出生率強制低下策を行ったため、日本より人口構成の歪みが酷くなっています。その結果、中国は

2009年時点で、60歳以上の高齢者人口は1億6714万人。人口に占める高齢者の比率は前年比0.5ポイント増加して12.5%となり、年間の伸びは過去最大。中国は世界で初めて先進国入りを待たずに高齢社会化する国となる可能性が高く、資源や財政に大きな負担を強いるだけでなく、社会不安にもつながる恐れがある。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-16283920100714

という状況にあります。

今の状況からは想像もつきませんが、いずれ中国は移民を受け入れる側に回ります。というか、そうせざるを得なくなります。日本人は、ギリギリのどうしようもない状況に追い詰められるまで移民を認めない方針のようですが、中国政府はもっと賢明に、早い段階から、計画的・段階的に移民受け入れを始める…かもしれません。もしそうなれば、アジアの移民市場は一転して売り手優位になる可能性もあります。
もちろん、アフリカ諸国のように人が餓死するほど余っている地域もありますから、人種・国籍・肌の色を問わず誰でもいいのであれば、今後も移民市場は買い手優位でしょうが、例えば「フィリピン人かタイ人、もしくはインドネシア人で、看護師資格を持っているか介護職希望の人が欲しい」なんていう「高望み」をすると、「そんないい人材はとっくに中国に買い占められているよ。日本人は動くのが遅いね。」なんていう事態になるかもしれません。丁度今、中国が世界中の鉄鉱石やレアメタルやクロマグロを買い漁り、日本企業が買い負けしているように。

アジア人看護師に漢字試験の壁 来日激減、国益損なう恐れ
インドネシアとフィリピンから来日した外国人看護師や介護福祉士候補者の来日者数が減っている。難解な漢字や専門用語、文章を用いた日本語の国家試験の壁が高いのが原因とみられ、中途帰国する候補者も増えている。(中略)平成20年以降、看護師や介護福祉士を目指して計998人の外国人が来日した。しかし、昨年初めて行われた看護師の試験の合格者ははゼロ。2回目の今年、ようやく3人が合格したが、合格率はわずか1.2%だった。

こんな悪質な嫌がらせを続けていると、将来、本気でもっと多くの移民を受け入れようとした時にはフィリピンでもインドネシアでも「日本は酷い国。受かるはずもない試験を課して、私たちを追い返すことしか考えていない。移民を受け入れる気は全然ない。」といった情報が充満していて誰も来てくれないでしょう。「中国は受け入れシステムが整っているし、同郷の移民も結構いるよ」となれば、優秀な人は条件の良い中国を目指し、日本は「粗悪な商品(移民)しか買えない」ようになります。
もう少し「人口構成の凹んでる部分を、後から国内で出産することはできない」という現実を理解して、まともな移民政策を構築する必要があるのではないでしょうか。