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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

立てよ中国人労働者よ! または、連合はそろそろ日本を見捨てて中国に進出したらどうだろう、という案

中国各地で労働争議が発生し、日系企業を始め、台湾系韓国系・米系などの外資がその標的にされているようです。
中国人民の賃金水準が上昇するのは歓迎すべきことです。日本が過去20年ずっと強いデフレ圧力・賃金低下圧力を受けてきた大きな要因の一つは、要素価格均等化の動き、つまり日本人の賃金を中国人に合わせようとする動きです。日本の工場で、これまで年収500万円の正社員が作ってきたのと同じクオリティの家電製品を中国人労働者が年収20-30万円程度で作ってしまうと、日本の工場はまったくコスト競争力を失ってしまいます。圧倒的なコスト格差を少しでも縮めようと、日本企業は正社員を減らし、年収200-300万円の派遣労働者に置き換えてきました。それでもまだコスト差が埋まらないので、本音を言えば派遣労働者の賃金を中国人並みの年収30万円くらいにしたいところですが、最低賃金法が邪魔をするのでそれは不可能です。耐え切れなければ、日本の工場自体を閉鎖して中国に移すしかありません。
昨今頻発している中国のストでは、賃金の二割三割引き上げが当たり前、中には約六割の引き上げと言う事例もあるようです。例えばホンダ系のある工場の場合、諸手当込み月収1544元(約20500円)を同1910元(約25300円)に約24%引き上げることで収拾を図ったそうです。毎年20-30%の賃上げが達成されれば、大雑把に言って3年で賃金は倍になります。30万→60万→120万→240万円!!!。うわうわうわ、うまくいけば10年で中国人の給与水準は日本人に追い付くかもしれません。(元高のアシストがあれば、もっと早いかも!)何て素晴らしい。そうなれば、日本人は賃下げ圧力の恐怖から解放されます。頑張れ中国人労働者の皆さん。

中国人の所得水準が上がれば消費市場としての中国も拡大するので、日本製品を輸入してくれる量も増えるでしょう。10年後には、もう電機や自動車製品で日本製品に用は無いかもしれませんが、夕張メロンや宮崎マンゴー、A5ランク黒毛和牛や大間のマグロを大量に買ってくれるかもしれません。日本酒ブームとかもあるかもしれません。金持ちになった中国人は、海外旅行先として日本に大挙してやってくるでしょう。現在のハワイで日本語が通じるように、日本中のスキー場や温泉などは中国語が第一言語になるかもしれません。バブルの頃、日本人観光客がパリやミラノに殺到し、ヴィトンやプラダの店にアリの大群のようにたかり、店の在庫が無くなるまで、あるいは数年先の生産見込み分まで買い尽くしたように、中国人が銀座や表参道を埋め尽くすかもしれません。かつて日本人は随分な金をフランスやイタリアに貢いだので、今度は多少貢いでもらっても良いでしょう。

さぁ、そこで連合です。貧しくなる一方の日本で、連合さんは思うようにその威力を発揮できていません。
正社員の賃上げを達成できているか?:NO。 正社員の残業代不払いを止めさせられているか?:NO。 正社員の過労死労働を阻止できているか?:NO。 正社員の不当なリストラを撤回させているか?:NO。
非正規雇用の賃上げを達成できているか?:NO。 非正規雇用同一労働同一賃金化を促進できているか?:NO。 契約期間中の解雇や、偽装請負二重派遣、直接雇用の忌避などの違法行為を阻止できているか?:NO。
簡単に言って、連合さんは組合費を徴収するだけで何の役にも立っていません。むしろ、自分たちが座っている正社員の椅子を守るために哀れな非正規雇用を生贄に差し出している場合があり、その割には正社員の椅子も十分には守れていない印象です。

中国では現在、合法的な労組は共産党が指導し出資する全国組織・中華全国総工会(ACFTU・組合員数2億2600万人)しかないそうですが、外資工場では「政府労組は役立たずだ」とされ「自主労組」を組織し集団交渉に臨む動きが目立つそうで、非公式ながら共産党政府も標的が外資系であれば黙認しているようです。
連合さん、どうでしょう。力を発揮できない日本に閉じ籠っていないで、今まで日本で蓄積した労使交渉のノウハウを彼の地で存分に生かし、中国人労働者の闘いを支援してみてはいかがでしょう。最近は、製造業だけでなく、国内市場のジリ貧に危機感を感じて様々なサービス業が中国に進出しています。セコム、ワタベウェディング、ベネッセ、公文式、そしてプロミスも。労組と言う事業もまた、サービス業の一種と捉えれば、中国進出は自然な取り組みと言えるのではないでしょうか。
連合さんが活躍して中国人労働者の賃上げを達成してくれれば、巡り巡って日本人の賃下げ圧力解消に貢献できるのです。そうすればまた、日本でも活躍できる余地が生まれるはずです。

もし、中国人から「お前らなんて政府労組より役立たずだ」と言われたら…、その時は廃業しましょう。