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水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

若い頃は誰だって若い

今日(6月7日)のカンブリア宮殿が面白かったので、忘れないうちに。
「200回スペシャル第2弾・日本は生き残れるのか?」と題し、躍進著しい中国・インド両国のベンチャー起業経営者*1を招いて、日本企業の今後のあるべき姿を議論していました。
その中で非常に印象的だった発言が「今から20年30年前、日本企業のビジネスマンが中国に来て(現地の権力者である)共産党幹部に面会を申し込むと、70代80代のおじいちゃんが出てきた。今、中国では人口100万以上の市の市長は45歳以上ではなれない規制があり、ビジネスでもベンチャー企業は30代40代の人間がバリバリ引っ張ってます。そんな我々が日本に来て大企業の「会長さん」に面会を申し込むと、70代のおじいさんが出てきます。これが両国の活力の差です。」「お年寄りは、もっと若い人に座を譲らないと」とも発言されていました*2
なるほど。日本では政治でも経済でも老人が権力にしがみつき、若者の進出が阻害されている、というのはよく聞く話です。中国で市長の年齢が『上限』45歳というのは、なかなか衝撃的な話ですが、ここはまず年齢自由なビジネスについて考えてみます。

ゲストの彼ら経営者が若いのは当たり前です。若い彼ら自身が起業して、自ら経営者になっているのですから。問題は、じゃあ彼らは、いつその座を次代に譲るのか?です。今から10年後、50歳そこそこで引退して40歳にも満たないような若造に経営権を譲れるでしょうか?。苦労して起業し、血が滲むような努力と自身の輝かしい才覚の結晶である企業の経営から離れられるのでしょうか?。もし彼らが60歳70歳になるまで経営を続け「会長さん」になって次代に譲ったならば、それは今の日本と変わりなく「お年寄りは、もっと若い人に座を譲らないと」と逆に言われる立場になってしまいます。
iPadという革新的製品を生みだしたアップル社は、1977年に当時21歳だったスティーブ=ジョブス氏とその友人が設立した企業ですが、2010年のアップル社を率いているのは55歳になった相変わらずスティーブ=ジョブス氏です*3。アップル社の株価は、ジョブス氏の健康不安説が流れるたびに下落する傾向があります。市場(投資家)は、若い人に座を譲るよりも高齢化していくジョブス氏の留任を望んでいるのです。

日本も、幕末〜明治維新期、及び敗戦〜高度成長期には、若い経営者が続出しました。大河ドラマ香川照之氏が演じている岩崎弥太郎氏もしかり*4本田宗一郎氏や井深大氏・盛田昭夫氏しかり。
維新や敗戦によって旧支配層が強制的に一掃され、権力の真空地帯が生じたところに敏速に、果敢に若い彼らが飛び込んでいったのです。社会が大きく変革し、今まさに高度成長期を迎えた中国やインドで若い経営者が溌剌としている事はさして羨ましい事ではなく、そんなことは日本も「若い頃」には出来ていたのです。
問題はその後です。次の世代です。ジョブス氏は21歳で起業しましたが、この先世代交代が必要となった時、ここまで巨大化した世界企業アップルの経営を、革新的で無名の20代の若者に譲ることは恐らく難しいでしょう。企業の成長により、経営者年齢の持ち上がりや世代交代時の高齢化は、ある程度避けられないと思います。(だからと言って、70代の会長や80代の顧問・相談役・その他がゴロゴロしていることが是認される訳ではありませんが。)

お年寄りは若いものに座を譲るのでなく、重要なのは、次世代にも若者による起業が続くか否かなのではないかと思います。維新や敗戦がなく、改革開放路線転換とか経済離陸期でもない時に、起業が維持できるか。1977年のアップルに続いて、1998年にGoogleが、2004年にFacebookが生まれ続ける環境ならば成長は持続する。それが出来なければ、やがて親も子供も理想の職業は「公務員」と考えるようになり、その果てにギリシャにようになります。ギリシャにとっては、現在の混乱が新たな維新を生むのかもしれません。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの韓国企業の躍進も、かつてのIMF理経済という屈辱が契機になったと言われていますし。が、できればギリシャほど追い詰められる前に、大きな社会的混乱と損失を生む前に、自発的に改革できれば、その方が良いはずです。

とりあえず、今日はここまでで。

*1:ちなみにゲストは、剣豪集団会長・鄭剣豪氏(46) バイドゥ取締役・陳海騰氏(43) サンアンドサンズアドバイザーズ社長・サンジーヴ=スィンハ氏(37) ITTR社長・サチン=チョードリー氏(36) という四名でした

*2:私の記憶で書いていますので多少の誤差は容赦願います。意味合いとして、このような発言、です。

*3:途中で一度解任されてますけど

*4:それにしても、ドラマの中の弥太郎はホントにイヤなヤツですが、三菱の人たちはどんな気持ちでNHKを見ているのでしょう。