水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

中国領特別行政区・沖縄

23日に沖縄県を再訪問した鳩山総理は「『できる限り県外だ』という言葉を守れず、県民のみなさんに混乱を招いたことをおわびする」と陳謝しました。散々繰り返された『最低でも県外』という発言はなかったことにされてしまいました。沖縄県在日米軍基地負担を、まるで減らそうとしてこなかった自民党政権から解放されても、今度の民主党政権は、やる気はあるのでしょうが実行力の低さは自民党以下のようです。可哀そうな沖縄県民。
そこで、基地負担を完全に一掃する方法として、「沖縄が日本から独立し、一定の条件受け入れと引き換えに、中国領になっちゃう」という事を考えてみました。一定の条件とは、
(1)高度な自治権の維持
(2)思想信条・表現・言論の自由の保障
(3)沖縄県が抱えている公的債務(独立すれば対日本政府の債務となるだろう)の肩代わり
(4)軍事基地を設置しない
(5)日本語の使用継続承認
こんなところです。香港もある部分一国二制度で運営されているので、一国三制度目を容認してもらう訳です。

関係各国の損得を考えます。
《中国》 中国にとって沖縄の米軍基地は、首筋にナイフを押し当てられているようなものですから、これを一掃できるなら、相当な条件を受け入れても十分国益的に採算が取れるでしょう。
《沖縄》 中国領になれば日米安保など関係ありませんから、米軍基地は完全に一掃されます。騒音からも事故からも米兵の起こす犯罪からも解放され、静かな海と空に囲まれた島が取り戻せます。
基地無き後の沖縄経済についてですが、 a)パスポート無しで中国人が来れるので、富裕層向けのリゾートアイランドとして観光客誘致を図ります。 b)共産国家・中国では土地を私有する事ができないため、富裕層は「己の土地」が持ちたくて仕方ないそうです。「条件」の中に「土地私有権の維持」も入れておき、米軍住宅跡地をセレブリティな別荘地区として整備し富裕層に売りまくりましょう。売却益に加えて固定資産税収もウハウハです。 c)通貨を元に切り替え、賃金・物価水準を中国寄りに引き下げていきます。(最初に債務を一掃しておけば、デットデフレで行き詰ることもないはずです。)沖縄はnativeな日本語が通じて+賃金コストは中国並みになります。突然の反日デモで工場が襲撃されたり大規模ストが勃発する恐れもないでしょうから、日本から見ると工場などの設置に実に魅力的な環境です。余った米軍基地跡地にガンガン日本企業を誘致します。逆に、中国企業の日本市場向けコールセンター・サポセンなどを誘致することもできるでしょう。
《日本》 沖縄県の2007年県内総生産は3.66兆円。全国520兆円に占める割合は0.69%と1%にも満たない規模ですから、喪失しても経済に与える影響は軽微です。同年の一人当たり県民所得は204.9万円で全国最下位。全国平均305.9万円の3分の2です。2009年の年間平均完全失業率は7.5%でこれも最悪。これらを改善しようと、長年にわたり巨額の沖縄振興予算が注ぎ込まれ、しかし成果は上がっていません。沖縄を切り離せば振興予算解消で財政的にはプラスになります。ついでに、一人当たり所得や失業率の統計から沖縄県が抜ければ、平均値は見た目上改善します。どうでもいいことですけど。

《日本・続き》 他方、日本の安全保障にとって沖縄喪失は重大な事態です。でも、いい機会です。日本国民の多くは、基地は沖縄にあると言うことを既成事実化し(あるいは負の既得権益?化し)、橋下大阪府知事が言うとおりこれにタダ乗りしてきました。痛みは沖縄に押しつけて後は見て見ぬふり、という選択肢が無くなって初めて、国民は安全保障やその負担について真摯に考えざるを得なくなります。27日・全国知事会議での石原都知事「海兵隊には本当に抑止力があるのか。(在日米軍が)火急のときに日本の国土を守るか守らないか、現政権が確かめてもらいたい。」発言のように、むしろ右翼な人たちからも日米安保見直し論が出るかもしれません。
国民的大議論の結果「やっぱ米軍基地が必要」という結果になっても、幸い日本には90箇所だかの空港があって余りまくっています。近々JALが撤退すれば廃墟になる見込み、という場所もあるでしょう。周辺の人口密度が低くて耕作放棄地などが広がっている空港を二つ三つ基地に提供すればいいでしょう。田舎にばかり負担を押し付けるのが悪ければ、一つは橋下知事の指導力で関空神戸空港にします。神戸空港ならポートアイランド二期工事の土地もオマケに付けることができるので、基地施設の建設も可能でしょう。*1

《米国》 米国の安全保障にとっても沖縄喪失は重大な事態です。大規模な軍配置再編を余儀なくされますが、日本にとっては米国の本音を知る機会になるかもしれません。もし米政府が「はぁ?、沖縄に駐留できない在日米軍なんて意味ねーんだよ。神戸や茨城みたいな『北方』に空港欲しくねーんだよ。日米安保はどうなるのかって?、もぅどうでもいいよそんなもん。ああぁ、こんなことなら火山が邪魔でもスービックを残しとけばよかった。スービック…何とかもう一遍貸してもらえませんかねぇフィリピンさん(スリスリ)。」と言いだせば、沖縄米軍の真の目的は東シナ海南シナ海への展開力、及び中東・湾岸への兵力供給基点であって、石原都知事が指摘する通り日本の国土を守るつもりはなかったということになります。守ってもらえないという事実を知るのは恐怖ですが、空手形のミカジメ料からは解放されます。

*1:丁度、理研スパコンも仕分けされたことですし。