水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

習近平氏問題の原因は外務省なんじゃないの?、という妄想

自民党が騒いでいる「天皇陛下を政治利用するな」には閉口します。外国要人と天皇陛下の会見なんて、最初から政治利用でしょう。天皇陛下は日本最強の外交リソース、貴重なエースカードですよ。それを、国益への貢献度を考慮せず「友好親善」だけのために使うなんて勿体なくてできません。それとも、どの国の誰であっても早め早めに申請を出せば「早い者勝ち」で会見できるのでしょうか?。陛下の会見はコンサートのチケットですか?。
これは、政治利用とか憲法理解なんていう大袈裟な問題でなく、ご高齢で健康問題もあってスケジュール管理に十分な配慮が必要なのに、余裕を持ってルール通りに申請を出してこなかった「事務手続き」の劣悪さの問題でしょう。「一カ月ルール」は政治的な規制ではなく、事務方である外務省と宮内庁の間で取り交わされている手続き規制なんですから。

となると、外務省は何してたんだという話になります。中国当局の事務方から「ウチの習近平の訪日さぁ、12月14-16日でお願いしたいんだけど。で、天皇陛下との会見も入れてよね。」と打診が来た段階で「いやいやいや、そんな急な日程は無理っしょ。来るのはいいけどさ、天皇陛下との会見入れたいならもっと余裕もったスケジュールじゃないとアレンジできないっすよ。」と、きちんと言い返していればトラブルにならなかったのではないかと。重要人物なのは分かっていますから、一カ月ルールを守っていれば宮内庁だって協力してくれたでしょう。1998年に当時国家副主席だった胡錦涛氏が来日されたときは、問題なく天皇陛下との会見が設定できたのですから。

天皇陛下と中国の習近平国家副主席との会見が特例的に行われた問題で、当初の会見要請が、外務省の中国担当部局から宮内庁という、通常使われない交渉ルートで行われていたことが分かった。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091216-OYT1T00091.htm

で、上記の記事を読んで考えました。要は、外務省アジア大洋州局中国モンゴル課の官僚が中国側の事務方に押し切られたのが原因ではないか、と。断っておきますが、これは私の妄想で、何ら根拠はありませんよ。
中国の事務方に対して「あぁ、そうっすか。じゃあなんとかその日程でアレンジしますよ、仕方ない。」と言ってしまう。で、宮内庁への窓口である省内大臣官房儀典官室に連絡したら「はぁ?アホか。天皇陛下との会見申請は一カ月以上前に出すって決まってんだよ。わかってんのかよ、お前は。来月14-16日なんか通る訳ねーだろ。知らねーぞぉ、そんな打診受けちまって。ウチはそんな日程じゃ宮内庁に申請出せないからな。」と突き返されてしまう。困った中モ課員はルートを無視して宮内庁に直接申請を出す。宮内庁とすれば不愉快極まりないでしょう。「はぁ?、何言ってんのアンタ。中国の次期主席だかなんだか知らんけど、おたくとウチで決めたルールを無視していいと思ってんの。え?、政治的に重要だから何とかするべきだ?。ふざけんな、外務省が偉そうなこと言ってんじゃねーよ。こちとら陛下の体調管理に責任あんだよ。冗談じゃない、受けらんないよそんな申請。そもそも、アンタ誰だよ。ウチに申請するのは儀典官室の仕事だろーが。」と拒絶する。
会見をアレンジできず面子丸潰れの外務省は、責任を宮内庁に転嫁します。政府・民主党に対して「私どもはちゃーんと宮内庁に申請したんですよ。なのに、宮内庁のバカが会見は無理だなんて断ってきたんですよ。ふざけてますよね連中。え?、無理な理由ですか?。いやー、わかりません。何だか日程が急だとかゴニョゴニョ言ってるんですけど、宮内庁は事の重大さが分かってないんじゃないでしょうかねぇ。困ったもんですよ。」とかなんとか。で、その話が「宮内庁が悪い」と言う形で平野官房長官の耳に入り、「テメェふざけんなよ宮内庁。何とかしろ、っつってんだよ。」という話になったのではないかと。

霞が関の省庁同士は恐ろしく仲が悪いし、同省内でも他局には冷淡で、皆さん「ウチの権限は絶対に侵させない」「自分の責任ではないことは知らん」という態度は徹底していますから。

松野頼久官房副長官は15日、宮内庁の岡弘文審議官を首相官邸に呼んだ。「1カ月ルール」ができた経緯や、過去の特例の事例について報告を受けた。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091216k0000m010075000c.html

15日になって説明受け…。鳩山首相は「1カ月ルールというのは存じ上げてはいた。」と言っていますが、本当なのか。宮内庁にねじ込んだ平野官房長官は知っていたのか。ちょっと疑問に感じます。「ルールを知らずにねじ込んでいた」とは言えないので、「知っていたが、ルールは柔軟に運用すべきだと思う」と言わざるを得ない。それもまた、外務省の罠ではないかと思ったりします。

それはそうとして、

中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席と天皇陛下の会見について、前原誠司国土交通相は15日の記者会見で「何とか陛下とご面談できないかと、元総理、自民党の方から要請が官邸に届いたと聞いている」と述べた。ただ、要請したとされる元首相の名前は明らかにしなかった。

http://www.asahi.com/politics/update/1215/TKY200912150405.html

前原さんって、以前「ホリエモンメール事件」で自爆した人ですよね。…まさか、同じ過ちを二度繰り返すことはないと思いますが…。ちょっと不安。