水色あひるblog

はてなダイアリー 「mizuiro_ahiruの日記」 から引っ越しました。

振り込め詐欺被害ワースト銀行ランキング

振り込め詐欺:金融機関窓口やATM(現金自動受払機)を経由する割合が7割以上に再び増加。10月15日〜11月14日を振り込め詐欺の「撲滅強化推進期間」とし、警察庁は全国銀行協会日本郵政グループと共同で対策に取り組む。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091007k0000e040076000c.html

なくなりませんねぇ、振り込め詐欺。上記記事に「8月の振り込め詐欺の認知件数は461件、被害額約5億5100万円で、統計を取り始めた04年7月以降最少」とありますが、最少で月間5.5億もの金が犯罪者のポケットに流れ込み続けているとは深刻です。
今月15日からの一カ月を撲滅強化推進期間にするとのことで、提案があります。

(1)15日以降に振り込め詐欺被害が発生した金融機関名・支店名を公表する。
(2)更に一週間ごとに統計とり、メガバンク地方銀行信用組合などに区分し、被害の大きいワースト金融機関名・被害金額のランキングを公表する。

金融機関は面子や体裁を非常に気にする組織なので、被害撲滅のためにその性質を利用するのです。
ワーストランキングを発表すると言えば、各行経営陣は自分のところが上位になることを絶対に回避しようとするはずです。ランキングを金融機関の規模ごとに出せば、三井住友や東京三菱は「メガバンク中最悪」にだけはなるまいと必死になるでしょうし、それ以外の各行も「地方銀行ランキング」など自己の属するランキングの上位に出ないよう知恵を絞るでしょう。経営陣から各支店長に「絶対、絶対被害を出すな」と厳命が発せられるはずです。各支店長も、自分の支店名が被害発生店舗として公表されると面子丸潰れ&己の出世にも響きますから全力で被害発生を防ごうとします。テラーの女子行員に対して、耳にタコが出来るくらい注意指示が飛ぶでしょう。
「警察と共同して対策」なんかより、この「面子を気にする力」の方が絶大な効果を発揮するだろうと思います。

以前にも警察が被害撲滅強化月間的な取り組みをしたことがあります。日本中の金融機関支店やATMコーナーに警官が常駐し、来る客来る客に声かけしている様子がニュースでも放送されていました。それなりに成果も上がったようです。
でも、警察官の人数には限りがあるので、膨大な数の支店やATMに警官を派遣すると当然どこかにしわ寄せが発生します。例えば派出所に駆け込んでも誰もいないとか、街中を巡回する警邏が手薄になるとか、重大事件の捜査に投入する人員が減少すると言った弊害が生じます。人手不足がキツイのでそうそうは続けられず、一カ月程度の期間限定の取り組みにならざるをえません。被害が発生するかしないかもわからないのに、網羅的な対応で大量の警官を金融機関に張り付けたままにするのは税金の使途として非効率でもあります。
ですから、その人員&費用を金融機関に負わせればいいのです。ランキング公表は、金融機関が自発的に人員と費用を負担するように仕向ける強いインセンティブです。
高賃金の銀行員を本来業務から外してATMの前で立ちんぼはさせられないでしょう。例えば、結婚・出産で退職した元女子行員みたいな人をパートで再雇用して「被害防止担当」としてATMコーナーに常駐させればいいのです。元行員なら接客もお手の物ですし、振り込め詐欺に関する知識もあるでしょう。マッチョだけど金融の知識は低水準な警官がウロウロしているより、ずっと被害防止能力も高いと思います。

この方法なら、(1)金融機関が必死になるので高い効果が期待できます。(2)一カ月と言わずずっと継続できます。(3)警官は本来の業務に戻れます。(4)新規雇用が生じるかもしれません。
ワーストだけでなく、ベストランキングも発表する手もあります。被害防止に努力し実効を上げた金融機関名を発表してあげるのです。費用かけて取り組んでくれたことへのお礼として「ウチは振り込め詐欺の被害が少ない、信頼できる金融機関です!」とアピールに使える材料を提供する。飴と鞭です。
どうでしょう?。