八ツ場ダム報道に見るマスコミの一貫性
政権発足からわずか一週間。八ツ場ダムを巡るマスコミ(特にテレビのニュース番組)のスタンスが見る見る180度ひっくり返っている事に驚かされます。
自民党政権時の報道スタンス
- 建設費は繰り返し増額されており、完成までに実際いくらかかるかわからない。
- 1952年の計画発表から半世紀以上たっても、ダム本体はまだ工事開始さえしていない。
- 東京の水需給には余裕があり、利水の必要性はない。他方、治水としての効果は甚だ疑問。
- ムダな公共事業の典型であり、環境破壊である。
民主党政権後の報道スタンス
- 事業費4600億円のうち既に7割が終了しており、止めた方が金がかかる。
- 住民の代替地移転も進めており、今さら止めると住民に更なる混乱をもたらす。
- 万一洪水などが生じた場合どうするのか。
- 国と地元住民が一度合意したものを一方的に破棄して良いのか。
この手のひら返しっぷりは、どうしたものなのでしょう。
マスコミの一貫性は、「政府は間違っている」と主張することなのでしょう。だから、自民党政権がダム建設を推し進めている間は「工事するのは間違っている」と批判し、民主党政権が工事を中止しようとすると一転「今さら工事中止するのは間違っている」と言うことになります。従って、八ツ場ダム以外でも
なんでも今までと逆の方向にスタンスをシフト。マスコミにとって「平穏」は飯の食い上げ、視聴率や販売部数の低下。国民が常に怒り、政府に不満を抱えている方が都合がよく、ニュースも「政府は酷い。とんでもないことです。国民の我慢も限界、怒り爆発です!!」とヒステリックに叫ぶ方が視聴率がいいのでしょう。
マスコミの真の一貫性は「事を荒立て紛糾させることが目的化している」ことかもしれません。
そのうち「官僚の専門能力」を擁護したり、「靖国神社に参拝しない閣僚」を取材したりするようになったら、おもしろいかもしれません。